真栄城が3連覇/冷静な打ち回し光る
第45期宮古本因坊戦/本社主催
第45期宮古本因坊戦(主催・宮古毎日新聞社、主管・日本棋院平良支部、協賛・こすみ囲碁教室)の決勝リーグが26日、同教室で行われ、現本因坊の真栄城佑次六段が3連覇を達成した。昨年まで強烈なパワーが目を引いていた真栄城。「今年は僅差のヨセ勝負の碁でも勝てた。(形勢判断を軸に)冷静に打てた」と成長ぶりを話した。「今後は本因坊戦の4連覇と、池間博美先生と約束した3年以内の県制覇を目指したい」と、池間さんに次ぐ県碁界での活躍にも意欲を見せた。
決勝リーグ参加者は現本因坊の真栄城佑次六段、池間博美六段、知念一将六段、下地洋一六段の4人。1回戦の相手は、くじ引きで決めた。
1回戦、真栄城と下地は黒番真栄城の勝ち。優勝候補同士知念-池間戦は、めまぐるしい戦いを白番の知念が制した。
2回戦では真栄城を中学生のころから、手ほどきしてきた池間と弟子真栄城の対局が関心を集めた。終盤まで、細かい形勢で進んだが、池間が勝ちを急いだ手が敗着となり投了した。池間は「少しは勉強しているようだ」と、弟子の上達を喜んだ。
2回戦を終わった時点で、真栄城と知念が2戦全勝で並んだ。白番の知念は中盤のコウ争いの振り替わりで優位に立った。終盤まで優勢のまま進んだが、真栄城の勝負手が功を奏し逆転した。
2人の対局を採譜した日本棋院平良支部の池村浩明支部長は「予想できない手が多かった。ハイレベルな戦いだった。見応えがあった」と評した。
宮古囲碁名人である知念は、2冠達成はかなわなかった。「これからも池間さんや佑次、囲碁仲間たちと切磋琢磨(せっさたくま)して、来年は本因坊を取りたい」と来期を見据えた。
閉会式で宮古毎日新聞社の伊志嶺幹夫社長は、真栄城の3連覇を祝福。参加者や関係者の大会への協力に感謝した上で、来年も大勢が参加して盛り上げてくれるよう願った。
名誉宮古本因坊の池間博美さんは「宮古の囲碁界は本因坊戦を軸に発展してきた。50期に向けて、一層の発展を後押ししていきたい」とあいさつした。
日本棋院囲碁普及員の親泊宗二さんは、池間さんが100歳まで活躍することを願う「詩吟」を歌い大会に花を添えた。池間さんには「自筆の詩吟の漢詩の額」も贈った。