所得10%向上に意欲/市長が23年度施政方針表明
「島を住みやすく、豊かに」/市議会3月定例会
市議会(上地廣敏議長)3月定例会が28日開会し、座喜味一幸市長が2023年度施政方針を表明した。公約に掲げた市民所得の10%向上を改めて強調。農畜水産業および観光産業の活性化と6次産業化、離島の不利性解消に意欲を見せた。座喜味市長は「5年先、10年先を見据え、この島を住みやすく、豊かにしていくことが市政を任された私の責務である」と述べた。
農家の所得向上へ向けては、他作物との輪作による複合経営が可能となるよう、サトウキビの年内操業の恒常化に向けた早期高糖品種への更新等、健全な種苗の普及を目指す。
地下水保全には、モニタリング調査による監視を行い、市民の声を地下水審議会へ照会する仕組みを構築する。水源保全に向け、東添道流域・平良流域で調査を実施し、地下水流域界の精度向上を図る。
エコアイランド宮古島の形成を推進するため、電気自動車(EV)および関連設備等の購入に補助を行う。庁舎駐車場に整備した太陽光パネルの発電を活用し、約100台の公用車を段階的に電気自動車への切り替えを進める。
回復傾向にある観光産業については、島の特色を生かした「旬」を戦略的にPRするとともに、国内外の新規航空路線就航に向けて誘致活動を行う。
生活物資の安定供給に向けては、平良港に大型貨物船が2隻同時に接岸できる岸壁を整備する。台風時などの品薄解消に向けて、関係事業者と調整を図り、平良港総合物流センターの有効活用に取り組む。
離島における不利性の解消としては、文化・スポーツ活動へ参加する児童生徒の選手派遣費補助を、高校生など県立学校に通う生徒も補助対象を拡充する。
結婚に係る経済的負担の軽減や出生率の向上を図るため、新婚世帯へ家賃等を最大60万円支援する。また、一人親世帯の居室の確保や資格取得に対する支援することも紹介した。
座喜味市長は「市民と行政との協働を図りながら『市民が主役の豊かな島づくり』を進めていく」と語った。