宮古初の特定看護師に/徳洲会の稲垣さん
医師判断待たず診療補助
看護師自身の判断で対処できる行為が広がる「特定看護師」の研修を宮古島では初めて修了した宮古島徳洲会病院の稲垣聖司さん(40)。その活動内容や約1年間活動してきたことについての報告がこのほど同病院で行われた。同席した病院関係者もその存在の大きさを強調。医師負担が軽減されていることや今後、ニーズが高まる在宅医療での活躍にも期待が高まっている。
特定看護師は、難易度の高い診療の補助業務を医師があらかじめ作成した「手順書」という包括的指示の基で実践することができる。
入院でも在宅でも、医師の到着を待たずに患者の症状に合わせて必要で適切な処置ができることから、症状の悪化を防ぐことができ、患者にとっても医療者にとってもメリットが大きい。
稲垣さんは、大阪府出身で宮古島での生活は16年目。1年間の研修を経て昨年3月31日に研修の修了証を受け取り、これまで約1年間「特定看護師」として業務を行ってきた。
特定行為には、21区分38行為があり、そのうち稲垣さんは今回の研修で4区分の5行為ができるようになった。
稲垣さんは「病棟、医師、患者、その家族にとってもプラスの面がとても大きいと感じたので、さらにスキルアップを図っていきたい」と意欲を示した。
具体的な効果については「例えば、患者とその家族については、私たちが患者を訪問することで、来院して長時間待たなくてすむ。また、家族も病院への送迎で休みを取らなくてよくなることも効果の一つ」と話した。
宮城和史院長は「医師の負担も軽減されているし、病院には複数の特定看護師が必要。そうなれば患者やその家族にとっても大きなメリットになる」と述べた。
国吉恵美看護部長は「確実に医師負担は軽減しているし、病棟、患者にとっても効果は大きい。宮古島においては医療面で地域貢献にもなっていると思う」と、その効果を強調した。
また、宮古での研修の際に指導に当たった下地美幸医師は「研修期間中、忙しい中でとても頑張ってくれた。医師も看護師も人員の確保が必要な状況の中で稲垣さんの存在は大きく、私たち医師はとても助かっている」と感謝した。
同病院では、4月に2人目の特定看護師が誕生する予定となっている。