人口減対策の取り組み継続/「生活の満足感向上目指す」
村長、23年度施政方針を表明/村議会3月定例会
【多良間】村議会(福嶺常夫議長)3月定例会が9日開会し、伊良皆光夫村長が2023年度の施政方針を表明した。伊良皆村長はこれまで3年間の新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策で村民の協力に感謝した上で、今後は新型コロナだけに目を向けるわけにはいかないとして、村の大きな課題である「少子高齢化に伴う人口減少対策」「地域経済の活性化」「防災、減災の強化」などに取り組んでいくと強調した。
人口減少対策では、村の総人口は今年1月末時点で1085人と前年同時期に比べ9人減少していることを説明。村の次代を担い、人口の自然増の役割も担う若者を主なターゲットに、移住体験ツアーなど移住定住の推進や雇用の確保、住宅・教育・子育て支援を継続する方針。
国営の土地改良事業では、これまで国営土地改良事業地区調査などが進められており、今年度から全体実施設計が進められる。
農業振興については、農業生産販売目標額20億円必達に向け、生産農家や関係機関と連携して取り組んでいくことを説明。サトウキビは反収(10アール当たり収量)、品質の向上を図るための施策を展開していくとした。また、カボチャ、トウガン、ニンニク、トウガラシ、ササゲ、ノニなどの施設野菜については実証栽培も行っていることから、安心して「水あり農業」に取り組める基盤整備を進めていくとしている。
畜産振興については、世界的な物価高が続くことを懸念し、状況を判断しながら、畜産農家の経営を支えるため、村独自の支援策を検討していく。
高齢者福祉については、経済的な理由でエアコン設置ができない一人暮らしの高齢者に対して、エアコン等の購入費助成制度の検討を進めるほか、数え年100歳の人に長寿祝いとして感謝状と30万円を贈呈する方針を示した。
伊良皆村長は「各分野でさまざまな計画があり、目標などが設定されているが、それはステップ。1年1年、村民が実感できる心の充足感、生活における満足感のさらなる向上を目指す。成長に向け前進していけるよう託された重責に応え、精いっぱい努力していく」と述べた。