債権放棄を可決/市議会経済工務委
リサイクルセの指定管理も
開会中の市議会3月定例会は9日、経済工務委員会(西里芳明委員長)で平良荷川取の市有地にあった造船所2件の未払い賃料および遅延損害金合わせて3935万4362円の債権を放棄する議案を全会一致で可決した。市上野資源リサイクルセンターの指定管理者の指定も可決。そのほか付託されていた港湾事業特別会計予算などすべての議案を全会一致で可決した。審査結果は本会議で報告される。
債務者は平良荷川取にあった宮古造船所と伊計造船所。市は1993年4月、両社と土地賃貸借契約を締結した。宮古造船所とは3170平方メートルを月額9万5100円、伊計造船所とは3693平方メートルを月額11万790円で契約した。
宮古造船所は翌年から支払いが滞るようになり2011年3月までの間、滞納賃料1787万8800円、遅延損害金2071万5800円が発生。市は同年、契約解除を通知し、納付を求めたが全額回収はできなかったため、裁判を提起し、支払いと立ち退きを求めた。13年に裁判は市側の勝訴で決着。市は土地明け渡しまでの間の未払い金2140万2122円の支払いを求めてきたが、支払いがないまま16年に代表者が死亡し、会社の実態も確認できない状況が続いていた。
伊計造船所も契約3年後から支払いが滞るようになり、同様の経過をたどった。裁判は12年に決着した。市は未払い金から代物弁済額を差し引いた額の1795万2240円の支払いを求めていた。伊計造船所は14年に解散し、代表者は翌年、死亡している。
市議会委員会室で開かれた同委員会では、伊計造船所代表者の相続人に対して、返済を求めるべきではなかったかなどの指摘があった。