国と県で電気料金支援
一般家庭含む全契約者対象/予算総額は104億円
【那覇支社】池田竹州副知事は10日、県庁で記者会見を開き、沖縄電力(本永浩之社長)が4月以降、電気料金の大幅値上げを目指していることに対する施策として、国と県が連携して独自の支援を講じると発表した。対象となるのは、一般家庭を含む県内すべての電気契約者で、支援総額は約104億円となる。県は5月から値上げされると想定しており、支援期間は同月から9月まで。
昨年11月、沖電は燃料価格の高騰を理由として、政府へ4月から電気料金を3~4割程度の大幅値上げを行う申請をしたと発表。一方で政府は、1月から家庭および企業などに係る電気料金を2割程度抑制する一律支援施策「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を実施している。
しかし、大型工場や大型ホテルなどの大口契約をしている県内の「特別高圧」約100口は、国の一律支援の対象外となることから、県は独自の補助支援の費用を計上している。
さらに、県や経済団体は国に対して追加の支援を要請してきた。県民1人当たり所得が全国で最も低く、電気料金の値上げは生活や県経済に影響が大きいことが理由で、国の支援や一般財源を活用し、今回の施策を取りまとめた。
支援が始まった場合、実質負担額は1kwh当たり▽一般家庭などの「低圧」は約75%減の3・4円、▽企業などの「高圧」は約45%減の7・1円、▽大型工場やホテルなどの「特別高圧」は約45%減の6・9円となる見込み。
具体的には、電気消費量を260kwhと仮定した一般家庭の電気料金は、値上げが想定される5月以降、支援がない場合は1万500円となるが、同支援により9720円まで軽減されるという。
会見に同席した県経営者協会の金城克也会長は「総額100億円を超える包括的な支援策を取りまとめることができたことは、経済界として大変うれしく思っている」と強調した。