イノシシ捕獲数が急増
2年間ゼロが今年度8頭/市、増加懸念で調査費計上
2022年度のイノシシの捕獲数が急増している。2019年度に県猟友会石垣地区と同竹富町地区の協力を得て6匹を捕獲駆除し、年度合計で10匹を駆除して以降の捕獲数は20、21年度とも「0」だった。しかし、22年度は宮古の猟友会が昨年12月末までに7頭を猟銃で駆除。今月4日にも城辺に設置されたわなに67・6㌔の雌が掛かり、合計で8頭が捕獲駆除された。市ではこうした状況に危機感を募らせており、23年度の予算案に調査費として390万円を計上している。
宮古地区のイノシシは、島外から移入された外来種で、城辺地区の海岸沿いの樹林を生息域として、徐々に増殖した。
ピーク時には相当数が生息していたと見られ、農産物被害金額も3000万円相当になったことから、17~18年度の2年間合計で76頭を駆除。これにより大幅に生息数を減らした。
17~19年度にかけて合計で100頭を駆除してからは、生息数は10個体前後になったと推測され、実際に20、21年度とも捕獲数はゼロが続き、農作物被害も拡大していなかった。
市環境保全課は「急に捕れだしたのでおかしいということになった。以前のように増えたら大変なことになる。別の個体が島内に入っている可能性も含めて調査が必要」と話した。
さらに「数が激減して以降、ここ数年は根絶できるチャンスだった。急に駆除数が増えたことについては専門家からも『早期に対応しないと大変なことになると』の指摘を受けたので調査費を計上した」と説明した。
4日にわなで雌のイノシシを捕まえた猟友会の男性は「数が増えているのか、減っているかは分からないが、今年度は実際に捕れ始めている。もしかしたら、大幅に増えた17~18年度の前段階のレベルかもしれないので、調査して対策を講じた方がいい」と話した。
根絶間近と思われていた矢先での捕獲数急増。市では、以前のように農作物に深刻な被害が出る前に対策を講じる必要に迫られている。