宮古島市、上げ幅を拡大/2023年地価公示
観光需要の回復など影響/住宅地では19%上昇地点も
【那覇支社】内閣府沖縄総合事務局は22日、2023年の地価公示結果(1月1日時点)を発表した。観光需要の回復や、新型コロナウイルス感染症の収束感などにより、宮古島市では商業地、住宅地とも上げ幅を拡大した。また、陸上自衛隊基地の周辺整備やサンエー宮古島シティ開業の影響で「上野字野原東方原1104番」は前年比19・6%上昇し、住宅地の上げ幅で県内最高を記録した。
宮古島市では、18、19年に2年連続して入域観光客数が100万人を突破。20年は、新型コロナの影響で入域観光客数が40万人台まで大幅に減少したものの、22年にはクルーズ船による入域客がほとんどない中で66万人まで回復した。
地価公示で調査している市内商業地は、いずれも平良地区の2カ所で、それぞれ3%台の上昇率となった。同局は「さらなる国内観光の回復、観光需要増加に対する高い期待感がある」と分析している。
住宅地は、平良地区3カ所で約2~3%の上昇率を示した。このうち、東仲宗根地区の1カ所は昨年からやや上昇率を縮小させたものの、他の2カ所は上げ幅を拡大した。城辺地区2カ所は前年比5・6%と12・7%、上野地区1カ所は同19・6%という、非常に高い伸び率を示した。
市の住宅地上昇率は、県内2位で、同局は「売主の相場観が上昇し、従来の相場を上回る取り引き価格の浸透が見られる。また、地価上昇で市街地の住宅が高価格となり、相対的に割安感のある市街地郊外の既成集落での引き合いが強まっている」と指摘した。
今後の宮古地区の地価について、地価公示分科会の仲本徹代表幹事は「入域観光客数の回復が見込まれる状況が続くのであれば、地価が上昇する余地は十分にある。好調が続くのではないか」と述べた。
一方で、仲本代表幹事は県内で建築費が上昇していることも指摘。20年に市内の商業地で経験したような、急激な地価上昇が起きる可能性は低いとの認識を示した。
県内商業地の最高価格は、22年連続して「那覇市久茂地3丁目1番1」で、1平方メートル当たり197万円(前年比2・1%上昇)。石垣市の商業地最高価格は、石垣市大川中ノハカ207番3で、同15万1000円(同2・7%上昇)。