陸自ヘリ行方不明 搭乗員の捜索活動続く/海保、陸海空自
依然手掛かりつかめず/早期発見へ24時間態勢
6日午後宮古島周辺を飛行していた陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」が行方不明になった事故で7日も捜索活動が行われているが、搭乗員の安否など手掛かりはつかめていない状況だという。宮古島海上保安部の巡視船などのほか、陸上自衛隊の隊員らは伊良部島や池間島の陸上、航空自衛隊の救難機や海上自衛隊の掃海艇は現場海域で10人の捜索を続けている。
この日の伊良部島は午前中から時折強い雨が降り、視界の悪い中での捜索活動となった。宮古島海上保安部の巡視船はヘリの残骸や「陸上自衛隊」と書かれた壊れたドア、救命用ボートなどを回収。救命ボートについては製造番号がヘリに積んでいたものと一致したことなどから防衛省は不明機のものと判断。周辺を重点的に捜索している。
不明機は消失する2分前に操縦士が空港管制と無線で交信し、正常に会話していたという。関係者によると、変わった様子はなかったといい、その直後に異変が突発して海面に墜落した可能性が高いという。現在、陸自が詳しい状況の確認を進めている。
熊本県に拠点を置く第8師団の坂本雄一陸将(55)ら搭乗者の行方は依然として分かっておらず、自衛隊と海上保安庁は24時間態勢で捜索を継続。海上自衛隊の掃海艇も7日午後には現場に到着し、ソナーを使った海中の捜索を開始した。
不明ヘリは6日午後3時46分に航空自衛隊の宮古島分屯基地を離陸。島の地形を上空から視察するため海岸線に沿って北上し、その後進路を南西に変え、離陸10分後の同56分に伊良部島北方の洋上でレーダーから機影が消えた。
複数の関係者によると、ヘリはレーダーから消える2分前の午後3時54分に下地島空港の管制塔と、進路や現在地の定期的な報告のため無線で交信した。離陸後にはこの他にも同空港や宮古空港と何度かやりとりをしたが、いずれも変わった様子はなかったという。交信は同54分を最後に途絶えた。