中の島ビーチ 建物の撤去を要求
市有地不法占有の男性に/宮古島市 強制撤去も視野
新城・砂山ビーチも調査へ
宮古島市は21日、下地島の通称・中の島ビーチで市有地を不法占有し、営業をしている男性に建物の撤去と土地の明け渡しを求める文書を手渡した。28日までの期限を設定しており、応じなければ刑事告訴を含めた法的措置も辞さない構え。強制撤去も視野に対応を検討する。男性は「了解しました」と話し撤去、明け渡しに応じる考えを示した。
市はゴールデンウイーク前にも新城海岸と砂山ビーチの見回りを実施する予定。海側と陸側の境界を測量し、市有地を不法に占有しているのが分かれば、同様な対応をする方針だ。
中の島ビーチは、シュノーケリングが楽しめることで観光客に人気のスポット。男性は2014年ごろから、同ビーチでマリンレジャー業を営んでいるという。男性によると、パラソルやライフジャケット、浮き輪などのレンタルのほか、飲料水を販売している。
市財政課と観光商工課は今月14日、男性に対し建物を撤去するよう口頭で注意している。
市観光商工課によると、男性がビーチへの入場を有料化することを記した看板を一時設置したため、先週から今週に掛けて市民や観光客から約30件の苦情が寄せられたという。
明け渡し文書は座喜味一幸市長名で、「本市は、土地の使用について許諾を与えたことはない」と指摘。「土地を訪れた市民や観光客から、言動について多数の苦情が本市に届けられている」とした。
その上で、「土地を不法に占有していることは、本市の観光イメージを著しく毀損(きそん)している」と述べ、すべての建築物及び物品を撤去し、土地を明け渡すよう求めた。
文書を受け取った男性は当初、28日までの撤去は「1週間では無理」としていたが、その後「これ(28日)をめどに遅れそうだったら電話します」と話した。
文書は市財政課の国仲英樹課長が読み上げて手渡した。市観光商工課の川平敏光課長ら市職員が参加、宮古島警察署署員、宮古島海上保安部職員が同行した。