PAC3関連車両を陸揚げ/民間輸送船で10数台搬入
空自宮古島分屯基地に移送/防衛省
北朝鮮が計画する軍事偵察衛星発射に備えて破壊措置準備命令が出たことに伴い、先島諸島に地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の配備を進めている防衛省は27日、民間の輸送船で車両10数台を平良港下崎埠頭(ふとう)に陸揚げ。配備場所の上野野原にある航空自衛隊宮古島分屯基地に移送した。宮古島へのPAC3配備は2016年2月以来。埠頭前では市民団体が抗議の声を上げた。
車両を積んだ輸送船は午後4時すぎに下崎埠頭に到着した。同25分ごろには輸送船後部の搬出口が開き、約8分かけてPAC3に関連する車両など10数台が次々と陸揚げされた。
埠頭には車両を一目見ようと駆け付けた市民らが、陸揚げの様子を不安そうに見守った。埠頭入口前には市民団体が「PAC3いらない」と書かれた横断幕などを手に反対する声を上げた。周辺では警察官たちが警戒に当たるなど埠頭は物々しい雰囲気に包まれていた。
同日は、航空自衛隊のC2輸送機1機が午後3時すぎに宮古空港に飛来し、PAC3の発射装置搭載車両1台を降ろした。
またこの日は、午前4時すぎと同7時すぎにも民間の車両運搬船計2隻が下崎埠頭に接岸し、PAC3部隊のうち指揮車など関連機材を陸揚げしたとみられる。
先島諸島へのPAC3配備は宮古島のほか石垣島や与那国島で計画されており、石垣と与那国には23日から配備が始まった。宮古島には26日に空自のC2輸送機でPAC3の発射装置搭載車両1台が運び込まれている。