サルベージ船が到着/陸自ヘリ事故
機体引き揚げ準備進める
陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」が行方不明になった事故で水深約106㍍の海底で発見された機体の引き揚げに向け、民間サルベージ会社の作業船が28日、現場海域に到着した。きょうは機体や海底の状況などを調査し、30日以降に引き揚げ作業を行うとみられる。
この日、池間島イラビジの沖合で確認されたのは深田サルベージ建設のグループ企業オフショアエンジニアリングの「新世丸」。
同社は約10億円で契約した。陸自は「29日から海域を使用する計画。明日以降に引き揚げに向けての準備をするという認識。月末から引き揚げ作業ができるよう進めてもらっている」と話した。
一方、この日も消息不明となっている4人の捜索活動が行われ、航空機4機、海自の艦艇4隻、陸自は約310人が出動した。
不明機は6日午後、伊良部島の北方約3の洋上でレーダーから消失。海底の地形が複雑なため捜索は難航したが、13日夜に伊良部島の北方約6㌔の海底でヘリの胴体部分が発見された。
搭乗者は第8師団の坂本雄一陸将ら5人、ヘリを運用する第8飛行隊の4人、宮古警備隊の伊與田雅一1等陸佐の計10人で、これまでに坂本陸将ら5人の遺体を収容。残る1人の収容と4人の捜索を行っている。
機体引き揚げに向けて海上保安庁は池間島西方海域でヘリコプターの揚収作業などが実施されると「海の安全情報」で周知。対象期間は28日から5月30日までとなっており、海保も警戒船を配備する。