サルベージ船が作業開始/陸自ヘリ事故
無人潜水機で状況確認/きょうにも機体引き揚げか
陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」が行方不明になった事故で水深約106メートルの海底で発見された機体の引き揚げに向け、民間サルベージ会社の作業船が29日、現場海域で作業を始めた。現場海域ではサルベージ船を含む複数の船舶が作業を行っており、無人潜水機(ROV)を使って機体や海底の状況などを確認していると見られる。
同日午前7時30分ごろには現場海域でサルベージ船の姿が確認できた。その周りにも一緒に作業をする船舶の姿も見られた。池間島には早朝から多くの取材陣が訪れ、作業の状況を注視していた。
防衛省関係者によると、事故機と見られる機体は尾翼が折れるなど大きく三つに分かれているという。テールローターなどがある尾翼部分が折れ、胴体部分も操縦席と、客席があるキャビン部分に割れていて、周囲には細かい破片も散乱していたという。
現場海域には28日、サルベージ船やROVの母船が到着。ROVなどで詳しく調査した上で手順を決めるが、機体の状態や潮流を考慮し、網状のワイヤで包んで引き揚げる方法などが検討されているという。調査が終わり、準備が整うのは30日以降の見通し。波や潮流の状況を見ながらタイミングを計る。
不明機は6日午後、伊良部島の北方約3キロの洋上でレーダーから消失。これまでに6人が見つかり、うち5人の死亡を確認した。機内に残された1人の収容と不明4人の発見を急いでいる。