給料少なく親から援助/市23年度予算・家計
貯金取り崩し生活費に/金銭的余力なく「火の車」
宮古島市は2023年度一般会計当初予算を、家庭の収入や支出に置き換えて算出した。年間に必要な生活費を500万円とした場合、収入は給料が84万円、パートなどの臨時収入は18万円の計102万円と少なく、親元からの仕送りなどで生活を維持している。最近では預貯金を取り崩して生活費に充てることも増え、今年度は31万円を予定している。ローンの返済もあり苦しい生活が続いている。依然として親の援助は必要で、独り立ちは厳しい状況だ。
市民が市の予算を身近に感じ関心を持ってもらおうと、「広報みやこじま(5月号)」で表やグラフを使い、難解な財政用語を分かりやすくして紹介している。
入ってくるお金(収入)の市税は「給料」に、負担金・使用料は「臨時のパート収入」、地方交付税や各種交付金などは「仕送り」に置き換えて算定した。
一方、金銭を支払う支出の人件費は「食費」とし、物件費は「光熱水費・通信費」、繰出金は「子供への仕送り」に例えて計算した。
それによると、今年度も自ら稼いだ給料だけでは生活ができないため、親元である国や県から援助を受ける。
それでも足りないため、借り入れたり、銀行口座から預貯金を下ろしてしのぐ予定だ。
そのようにして得た収入は、毎日の食費に使ったり光熱水費などの支払いに充てたりする。
医療費や保険料の支払いが膨大で、子供の教育費やローンの返済なども家計を圧迫している。
少ない収入で生活をどう維持していくかという大きな課題を抱えているにもかかわらず、自宅増改築や修繕費(公共施設の維持補修費など)に年間59万円を使うことになっている。
こういった状況から預貯金への積立は「ほぼゼロ」で、将来に大きな不安を抱えている。
預貯金の残高は175万円だが、ローンの支払いが517万円残っている。
市債の「ローン返済」について市財政課は、世代間公平性や市債の種類によっては返済金の一部を国から手当を受けることから「通常のローンとは違う点に留意してほしい」としている。