機体主要部を引き揚げ/陸自ヘリ事故
フライトレコーダー回収/分析で事故原因究明へ
陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」が宮古島周辺で行方不明になった事故で水深約106㍍の海底で発見されていた機体が2日、民間サルベージ会社の作業船により引き揚げられた。防衛省によると、機体から詳しい飛行の様子を記録したフライトデータレコーダー(FDR)が回収された。陸自は今後、機体やFDRを詳しく分析し、事故原因の究明を進める。
機体を積んだ作業船は平良港に停泊しており、準備作業が済み次第、熊本県の八代港に向けて出港。到着後は陸路で高遊原分屯地に移送するという。
機体は伊良部島の北約6㌔、水深約106㍍の海底で発見された。引き揚げ作業は午前10時30分ごろから始まり、同11時45分ごろにワイヤ製のネットで包まれた機体が海面上へと姿を現し、サルベージ船へと引き揚げられた。
機体を乗せた作業船は午後2時すぎに平良港へと到着。青いシートで覆われた機体のそばでは、自衛隊員や船舶の職員、市消防本部の職員らが慌ただしく動き回る様子が見られた。
防衛省関係者によると、機体は尾翼が折れるなど大きく三つに分かれているという。陸自によると、引き揚げたのは機体の主要部で、周辺に散乱していた破片も同時に回収したという。
不明機は6日夕、伊良部島の北方約3の洋上でレーダーから消失。海底の地形が複雑なため捜索は難航したが、13日夜に伊良部島の北方約6㌔、水深106㍍の海底で機体が発見された。乗っていた10人のうち、1日までに6人の死亡が判明している。
2日は、艦艇1隻と陸上280人態勢での捜索活動も行われた。