市産マグロとモズクで新商品/「もへじ」
2品開発、全国販売へ/販路拡大 地域活性化に期待
伊良部漁協(伊良波宏紀組合長)のマグロや宮古島漁協(栗山弘嗣組合長)のモズクなど市内の水産物を活用した新商品2品の発表会が9日、市役所で行われた。伊良波組合長、栗山組合長、商品開発を行った「もへじ」の武田翔太郎企画開発部長、座喜味一幸市長が同席し、新商品が市の特産品として地域活性化につながることに期待を示した。商品は全国のカルディコーヒーファームなどで販売が始まるが、島内での販売も予定している。
新商品の一つは、伊良部島産の約40%のマグロフレークに昆布だしなどを合わせ、さんしょうでアクセントを付けた「鮪(マグロ)と山椒(さんしょう)のオイル漬け」。ぴりっとしたさんしょうの風味がつまみや島ラッキョウなどのトッピングに合うという。価格は税込み518円。
もう一つは、宮古島産モズクを使った「宮古島のもずくとお味噌(みそ)を使ったお味噌汁」。太モズクの食感を生かしたフリーズドライ加工となっており、原料のみそには市内の「マルキヨ味噌」の天然醸造のみそが使用されている。価格は税込み498円。
「もへじ」では全国各地の素材や味、製法にこだわった「よりすぐりの逸品」を客へ届けることを企業理念に商品開発を行っており、今回は市内の水産物を使用した商品を開発。今後、売れ行き次第では継続して製造販売されるという。
武田部長は「当初はマンゴーや紅イモなどの原料の情報収集をしていたが、コロナ禍で余剰となっている島の食材を聞いたところ、モズクやマグロなどが地元での消費が減少していることなどを聞いた。試食し改めて良い素材と認識した」と説明し、使用産品が決定してから約1年で発売開始となったことを紹介した。
新商品発売に当たり伊良波組合長は「マグロ消費が減っている中で、このような商品を作っていただき、もへじさんに感謝している。コロナ前に比べて5割程度しか戻っていない。若い人たちが生ものを食べなくなっている。加工品を契機に生ものも食べてもらえれば」と話した。
また、栗山組合長は「モズクは生産管理が行き届いており、品質が良くなっている。その中で商品開発してもらい感謝。宮古島を訪れた人が地元に戻り、カルディコーヒーファームで商品を手に取ったときに宮古島を思い出してもらえればうれしい」と語った。
同席した座喜味市長は「市は6次産業化に向けた1、2、3次産業の連携に取り組んでいる。今回新商品開発が行われ、披露できることをうれしく思う。試食したが味は最高。行政としても市内の産物を商品化してもらえているので、販路拡大に努めていきたい。商品の売れ行きが好調となり、島内の水産物の需要が増えることを期待している」と話した。
商品は10日から全国約490店舗のカルディコーヒーファームで順次発売を開始する。また、オンラインストアでも購入が可能となっている。島内での販売も検討されており、調整が進められている。