子どもたちにゴーヤーを/匿名男性
匿名男性 市に毎週届ける
市役所1階の家庭保健課に、軽トラックで訪れた60~70代の男性が、名前も名乗らずに収穫したばかりのみずみずしいゴーヤーをプレゼントしている。この行為は2年ほど前から続いており、職員が名前を聞いても「そんなのはいいんだよ」と返答して、すぐに帰るという。愛情いっぱいのゴーヤーは、市が委託している「子ども食堂」や「子供の居場所」に分配している。
男性は、収穫のシーズンになると週に1回のペースで、箱に詰めたゴーヤーを届けているという。
同課の職員は「毎回、ゴーヤーの入った箱を近くにいる職員に預けて「子供たちに食べさせて」と一言だけ残して立ち去るという。
何度も職員が引き留めて、名前を確認しようとしても「こういうのは言わなくていいんだよ」と言ってすぐに車でその場を離れるようだ。
こうした男性の行動に、同課の職員は「私たちもこうした愛情あふれる行動は本当にうれしくなる」と笑顔になった。
10日には、通常の倍以上もある大きなゴーヤーが届けられ、その際に男性は「『このゴーヤーのように将来の夢は大きく持って』と子供たちに伝えて」との伝言を残して立ち去ったという。
子供たちのためだけを目的に届けられる愛情一杯のゴーヤーは、島内に市が委託している「子ども食堂」1カ所と「子供の居場所」5カ所に分配されて、利用者に喜ばれている。