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社会・全般
2023年6月15日(木)8:59

集団就職の写真見つかる/58年前に荒谷さん(東京在)撮影

家族との別れ切り取る/友利さん(久松小校長)紹介

 

大きなバッグを手に船に乗り込むお下げ髪の女子生徒。タラップ周辺には大勢の人。最後の最後まで別れを惜しむ様子がうかがえる

大きなバッグを手に船に乗り込むお下げ髪の女子生徒。タラップ周辺には大勢の人。最後の最後まで別れを惜しむ様子がうかがえる

東京都に住む荒谷淳子さん(77)が58年前の1965年に、平良港で撮影した集団就職に出発する生徒やそれを見送る人たちの写真がこのほど、久松小学校の友利直喜校長に届けられた。写真には、本土復帰前の島の様子や、人々の表情が生き生きと映し出されており、友利校長はより多くの人たちの目に触れることを願って今後、市総合博物館などへ写真を寄贈する予定だ。

青森県出身の荒谷さんがこの写真を撮った当時は写真短大生の1年生。映画会上映のため石垣島に滞在した後、沖縄本島に向かう途中で立ち寄った平良港で撮影した。

写真には、「祝・本土就職、上野中学校」と書かれた「のぼり」や、別れを惜しんで紙テープをしっかり握る年老いた男性の姿など、集団就職で不安と希望を胸に人生の岐路に立つ若者と、それを送り出す島民の姿が記録されている。

写真は、数年前に荒谷さんから神奈川県川崎市の沖縄県人会に届けられた。その後、同県に住む友利校長の姉が、同会の役員から預り、友利校長の手に渡ったという。

友利校長は14日、写真の存在をマスコミ各社に発表。「当時は、カメラなどの映像機材が乏しい沖縄の離島にあって、写真はとても貴重な歴史資料になる。博物館などに寄贈して保存したい」と話した。

この写真を含む荒谷さんの写真展が21~25日まで、東京都調布市の調布市文化会館「たづくり」2階北ギャラリーで開催される。

友利校長は「写真展を関東で見に行ける人がいればぜひ、足を運んでほしい」と呼び掛けた。

今後、同様の写真展を宮古島で開催する計画について、荒谷さんは「今回の写真展終了後に友利校長とも相談してみたい」と話した。


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