「未来永劫の平和築く」/多良間慰霊祭
戦争経験者の言葉継承誓う
【多良間】村主催の慰霊祭が23日、村仲筋の慰霊の塔で厳かに執り行われた。伊良皆光夫村長をはじめ、遺族会、各界の代表、児童生徒が参列し、戦没者に哀悼の意をささげるとともに恒久平和を誓った。伊良皆村長は「未来永劫(えいごう)に平和で豊かな村づくりを全村民で築いていく」と力強く宣言した。
慰霊祭には、村議会の福嶺常夫議長、遺族会の山川和雄会長、村内の字長や青年会、区長代表らが参列した。参列者は正午の時報に合わせて1分間の黙とうをささげ、戦没者の冥福を祈った。
伊良皆村長は「沖縄戦から78年目となる今年、私たちが享受している平和と豊かさは、戦争で亡くなった人たちの尊い犠牲と痛恨の涙の上に築かれたもの。戦争の悲惨さと平和の尊さを風化させることなく、夢と希望に満ちあふれた平和な世界を持続可能なものとして、子々孫々引き継いでいくことが私たちの使命」と強調した。
また、「村制施行110年という節目を迎え、全村民で平和で豊かな村づくりを宣言した。その実現のために全力を尽くす」と決意を述べた。
多良間中学校生徒会長の糸洲朝輝さん(3年)は「私たちは毎日学校で学んだり、友達と遊んだり、美しい海に飛び込んで自然を感じる日々が当たり前になっている。しかし、毎年6月23日には、この日常の当たり前こそが幸せなのだと気付かされる。私たちは戦争を体験してはいません。これからも(経験)してはいけない。だが、戦争について学び、経験した人たちから伝えられた言葉を次は私たち自身の言葉に代え伝え続けていくことが大切だ」と訴えた。
また、多良間小学校の児童会を代表して與那嶺琉華さん(6年)が各学年で平和の誓いを立てたと紹介し「私たちは平和の誓いを守り、平和な未来へ向かって前進していく」と発表した。