「警報級の感染状況」/新規陽性者は推定1000人超
県、対策の継続訴え/新型コロナ
【那覇支社】玉城デニー知事は26日、県庁で会見し、新型コロナウイルスについて、「感染が急速に拡大している」として、県民に感染対策の継続を呼び掛けた。県内の新規陽性者数は、推定で週7000人、1日当たり1000人を超えているといい、玉城知事は「インフルエンザであれば、警報級に匹敵する状況」と危機感をあらわにした。
新型コロナをめぐっては、5月8日に感染症法上の位置付けが「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられた。現在、全国でも新規感染者の全数把握は行われておらず、「定点医療機関」で把握した患者数の報告となっている。
定点当たりの報告者数は、県平均で5月29~6月4日の週以後、増加傾向を強めてきた。6月12~18日の週には28.74人となり、インフルエンザで「警報」が発令される基準の定点当たり30人以上に近づいた。県によると、感染状況は全国ワーストという。
宮古保健所管内の定点当たり報告数は、6月12~18日の週で15.25人と、県平均を下回っている。現状で報告者数が多いのは那覇市と沖縄本島南部だが、これまでも沖縄本島で感染が拡大し、遅れて宮古・八重山に感染が広がる傾向があるといい、警戒が必要な状況といえる。
玉城知事は、会見で「このまま夏場に向けて感染が拡大し続けた場合、昨年の第7波を超えることも想定しなければならない」と語った。
新型コロナ病床の使用率は、宮古地区は18日時点で23.1%にとどまるが、県全体では57.8%まで上昇。県は「厳しさを増しつつある」としている。
県は、医療のひっ迫状況や地域医療の課題について情報を集めて政策に反映するため「タスクフォース」を設置した。
また、県民に対しては▽発熱等の体調不良時は外出を控える▽手洗いや換気などの基本的な感染対策の継続▽高齢者など重症化リスクの高い人への感染を防ぐため、医療機関や高齢者施設を訪れる場合など推奨される場面でのマスク着用-への協力を求めている。