キビへのかん水に補助/市干ばつ対策会議
農家負担は1台2000円/10日から受け付け開始
市は7日、干ばつ対策会議を招集し、サトウキビを対象とするかん水補助事業の実施要項を決めた。10日に受け付けを開始してかん水作業を始める。かん水量は1農家当たり20アール(10トントラック6台分)。これを1巡目とし、2巡目は降水量を基に判断する。かん水費用はトラック1台当たり4200円で農家負担は2000円。水代を含む2200円は市が負担する。
宮古島地方は、5月と6月の梅雨の時期に前線が九州付近まで北上するなど梅雨前線が停滞しにくい状態だったため、降水量が少なかった。宮古島地方気象台は6月30日付で少雨に関する情報を発表している。
基幹作物のサトウキビは現在、生育期に当たるが、この影響が出始めており、全体的に生育が鈍化。一部の地域で葉の「ロール現象」が発生している。こうした生育への影響を最小限に抑えるためにかん水を実施する。
優先順位は夏植用種苗、春植え、株出し、夏植え、草地となっている。草地については畜産農家からの要望を受け対応する希望する農家は各地区の原料員に申し込む。この際トラック1台2000円の負担金を支払う。
給水場所は、土地改良区管理のⅢ型給水施設と宮古製糖城辺工場、伊良部農業水利事業所管理のⅢ型給水施設(牧山ファームポンド)となっている。
対策会議は市役所で開かれた。構成メンバーは県、JA、各製糖工場、土地改良区、トラック事業協同組合、気象台、共済組合などで、少雨傾向が続く現状に加え、向こう1カ月の天候の見通しを踏まえてかん水作業計画を協議した。
会長を務める市農林水産部の石川博幸部長は「早めの対策を講じて被害の減少に歯止めを掛けよう」と話した。
宮古島地方は5月から雨が少ない状況が続いている。気象台によると、4月21日から7月5日に掛けての降水量は、宮古島(平良下里)で209ミリと平年値の494.6ミリを下回り、率にして42%にとどまる。城辺では192.0ミリと平年比の39%、伊良部(下地島)は最も降水量が少なく124.0ミリと平年比の27%と3割にも満たない。多良間では同比62%と他地域と比べると降っているが、いずれも平年の降水量を下回っている。