増殖の可能性危惧―ヤエヤマイシガメ/捕獲調査2日間で57匹
島の希少生物への影響懸念/宮古島市
県の天然記念物ミヤコサワガニなどを捕食していることが分かっている外来カメ類ヤエヤマイシガメについて、市環境保全課が今年6月26日午後~28日午前に掛けて大野山林で調査した結果、計57匹が捕獲された。同課では「ある程度捕れるとは予想していたが、ほぼ2日間で約60匹は予想よりも1.5倍~2倍の数だった」と指摘、以前よりも増殖している可能性と島の希少生物への影響を懸念している。
ヤエヤマイシガメは、八重山諸島に生息する固有の亜種。本来は宮古島に生息していなかったため「県内外来種」とされている。
昨年度までの市の調査は、「城辺いこいの森」で実施してきた。昨年度は9月20~22日までの3日間で計21匹が捕獲されている。
今年度からは、場所を大野山林に移して実施。初日は午後からの調査だけで一気に約40匹を捕獲した。
この40匹は、ほぼ山林内にある池の周辺で捕獲したが、実際はそれ以上の個体が確認されていたという。
同課は「これまで大野山林を行き来する人たちの話からも、ヤエヤマイシガメはかなり多いとの話は聞いていた。今回の調査でも実際に捕獲しようと思えばもっと捕れたがきりがない状況だった」と話し、今回の捕獲数よりも実際の生息数はかなり多く、ここ数年で増殖している可能性があるとしている。
個体の増殖は、島内の希少生物の生息環境にも影響を及ぼしている可能性があることから、今年度はヤエヤマイシガメの胃の内容物の調査も実施予定で、希少な生物を捕食していないかなども確認していく方針だ。