初乗り運賃500円に/タクシー料金値上げ
コロナ、燃料高騰など影響/県内離島地区
宮古圏域を含む県内離島地区タクシー料金の初乗り運賃(上限額)が14日、500円に値上げされた。現状から30円引き上げ。加算運賃(同)も現行の336メートル60円から463メートル100円に変更された。離島地区における運賃値上げは2016年以来7年ぶり。
今回の運賃改定は、ドライバーの労働条件改善や利用者サービスの向上、コロナ禍や燃料高騰の影響を受けているタクシー会社の経営基盤を立て直すことなどを目的としている。
昨年12月の値上げ申請があった際には、業界関係者から「コロナの影響や燃料、修繕費などの値上りで、会社の維持が大変な状況となっている」との声が上がっていた。
運賃改定では、信号待ちや渋滞などにより、走行速度が一定速度(10キロメートル)以下になった場合について、新たに「時間距離併用制運賃」も導入。普通車では、2分50秒で100円(上限)を算入する。
宮古タクシー事業協同組合に加盟する全社が値上げする。同組合の嘉手納幹人専務理事は「値上げしないと会社の運営が厳しい。部品や燃料などすべてのものが値上げしており、運転手の賃金アップもしなければならない。市民の皆さまにも協力を願いたい」と理解を求めた。
14日は朝からタクシーの後部ドアに、新料金を告知するシールを貼る作業が行われた。タクシー運転手の男性は「ほとんどの利用客は新聞で14日から値上げすることを知っていて、値上げに驚く人はいなかった」と話した。
タクシー会社には、13日から値上げ後の料金を確認する問い合わせが複数件あった。通院でタクシーを利用する高齢者やホテルの関係者だったという。