ダイビング船が転覆/下地島の17エンド沖
海保が20人全員を救助/詳しい原因など調査中
16日午後0時42分ごろ、伊良部下地島の17エンド沖でダイビング船が転覆した。通報を受けた宮古島海上保安部が現場へ駆け付け、乗っていた17歳から57歳の20人全員を救助し無事だった。このうち1人は体調不良を訴え、病院へ搬送されたが命に別状はないという。同部は「転覆の詳しい原因など詳細は調査中」としている。
転覆した船は総トン数4・8トン、全長は12・34㍍で定員は23人。同日午前9時に船長1人を含む、8人のスタッフとツアー客12人(男性13人・女性7人)の計20人を乗せ、平良荷川取漁港を出港した。ツアーは3カ所のポイントを回り午後2時半~同3時ごろ帰港する予定だったという。
事故が起きたのは下地島空港滑走路付近の17エンドから北西へ2・7㌔の地点。ダイビングの人気スポットの一つ「魔王の宮殿」で2本目のダイビングを終えた直後だった。このショップの責任者の男性によると「海から上がろうとしたら強い雨風だった。お客さんを全員乗せ、船はすぐに沖へ向かい出発した」と話した。
その後、この男性が宮古島海上保安部へ「船が転覆した」と通報。電話の途中で船が傾き、男性は海へ落ちたという。船長は操船を続けたがエンジンルームに海水が入り、エンジンが停止したため、他の6人のスタッフはすぐに客を船外へ誘導した。ウエットスーツを着用していて浮く状態であったため、全員で手をつなぎ、固まって救助を待った。
午後1時5分ごろ、巡視船が現場へ到着し、全員が救助された。同1時19分、長山港に入港し、スタッフとツアー客らはダイビングショップへ戻った。体調不良を訴えた30代の女性は波酔いで嘔吐(おうと)したため、大事をとって病院へ行ったが、すぐにショップへ戻ったという。
男性は「スタッフが少なければ全員助からなかったかもしれない。冷静に対処していて、お客さんに声掛けを続けてくれたので大事に至らなかったと思う。今後も天候は十分確認し、冷静に対応したい」と話した。転覆した船は巡視船が監視を続けているという。