宮古島上空通過の可能性/北朝鮮「人工衛星」打ち上げ通告 空自分屯基地ではPAC3展開
空自分屯基地ではPAC3展開
北朝鮮は22日未明、「人工衛星」を24日から31日午前0時の間に打ち上げると日本の海上保安庁にメールで通告した。岸田文雄首相は、事実上の弾道ミサイル発射に当たり宮古島など南西諸島上空を通過する可能性があるとみて、「万全の態勢」を取るよう関係省庁に指示した。宮古島には4月26日に空自のC2輸送機で地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の発射装置搭載車両などが運び込まれており、22日も上野野原の航空自衛隊宮古島分屯基地では発射装置が展開されていた。
岸田首相は22日午前、首相官邸で記者団に対し「衛星打ち上げが目的でも、弾道ミサイル技術を用いた発射は国連安全保障理事会決議違反だ」と非難。「国民の安全に関わる重大な問題だ」と語った。破片などが落下する可能性がある海域は、黄海と東シナ海、フィリピン・ルソン島の東。
岸田首相は①情報収集・分析に万全を期し、国民に適切に情報提供を行う②米韓と連携し、北朝鮮に発射中止を強く求める③不測の事態に備え万全の態勢を取る-よう指示した。
北朝鮮は5月29日にも「衛星」打ち上げを通告。同31日に打ち上げたが失敗し、「できるだけ早期に2回目の発射を断行する」としていた。対象海域は今回と同じだった。
5月の通告を受け、浜田靖一防衛相は自衛隊法に基づき日本領域への落下に備えて迎撃できるようにする破壊措置命令を発出。現在も維持されている。海上自衛隊のイージス艦が日本周辺海域に展開し、航空自衛隊のPAC3を運用する部隊が宮古島市だけでなく那覇市や石垣島などに配備されている。