救急出動件数は3924件/22年宮古島市
前年比791件の大幅増/消防本部「適正利用」訴え
宮古島市での2022年の救急出動件数は前年比791件増の3924件、搬送人数は662人増の3560人となり、いずれも過去10年間で最多の件数、人数となったことが市消防本部のまとめで分かった。搬送人数を傷病程度別で見ると、全体の56%が入院を必要としない軽症者だった。消防本部では救急車の適正利用を強く訴えている。
救急出動件数は、14年に前年比401件増の3208件と初めて3000件を超えた。翌15年は前年比146件の減となったが、その後、16年からは増加に転じ、17年に前年比80件増の3213件となり14年の件数を上回ると、18年、19年も年間件数の最多を更新した。
しかし20年は、前年比376件減の大幅減となった。その要因について消防本部警防課では「新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、不要不急の外出を自粛していたことが考えられる」と分析している。
翌21年には前年比91人増と再び増加に転じ、22年は700人を超える大幅増となり、過去最多件数を更新した。
搬送人数は、救急出動件数に比例する形で推移している。
搬送人数を傷病程度別に見ると、割合が最も多いのは56%の「軽症」。次いで「中等症」32%、「重症」10%、「死亡」2%となっている。
搬送人数を事故種別で見ると、「急病」が2347件と圧倒的に多く、全体の65・9%を占めている。次いで多いのは「一般負傷」の571人、「その他」325人、「交通事故」228人、「加害」23人などとなっている。
搬送人数の56%を軽症者が占めている現状について消防本部警防課では「このままでは真に緊急を要し、救急車が必要な人への対応が遅れてしまう可能性があり、救命率に影響が出る恐れがある」との懸念を示し「救急車の適正利用をお願いしたい」と訴える。