与那覇さんに水産庁長官賞/全国青年・女性漁業者交流大会
コロナ禍の取組と展望発表/水産業発展に決意新た
第28回全国青年・女性漁業者交流大会の流通・消費拡大部門で、与那覇龍平さん(28)=宮古島漁業協同組合所属=がこのほど、水産庁長官賞を受賞した。農林水産大臣賞に次ぐ2位相当の賞。与那覇さんは13日、県宮古農林水産振興センターを訪れ、砂川喜信所長に受賞を報告。「宮古島漁協で取り組んでいることが評価された。全国大会で発表を聞き、刺激を受けてきた。これを宮古島の水産業の発展につなげていきたい」と話した。
水産庁長官賞の受賞は県内では6例目、宮古では2001年の平良市漁協婦人部につづき2例目。個人では初となる。
与那覇さんは西原地区出身。漁業を営む祖父の背中を追って漁業者の道を歩んだ。沖縄本島でさまざまな漁業や漁法を習得し、2018年には祖父からモズク養殖を引き継いだ。21年には県の青年漁業士に認定されている。
県大会で最優秀賞(県知事賞)を獲得し、沖縄代表に選ばれた。全国大会は3月1、2の両日、東京都で行われ、「宮古島の青年漁業士が考えるコロナ禍における漁業の取り組みと展望」をテーマに発表した。
コロナ禍により水産物価格が下落した中で経営安定のために、単価の高いイセエビの畜養やマグロをカット加工した「ロイン販売」など、取り組んだ施策を紹介した。
砂川所長は「漁協の活動がPRでき、評価が高まったと思う。われわれも若手が参入できるよう後押しをしたい。与那覇さんが若手の先頭に立ってもらいたい。受賞は階段の一歩であり、次なる高みを目指してほしい」と期待を込めた。
与那覇さんは「イセエビの畜養はやって良かったが、課題もあるので改善したい。宮古島でカキ養殖ができるよう視察や試験を行っていきたい」と意気込んだ。