市上昇率が県トップ/2023年地価調査
商業地、住宅地で10%超/観光需要回復が背景
【那覇支社】県は19日、2023年県地価調査(7月1日時点)を発表した。宮古島市では、商業地の平均上昇率が前年比12・6%、住宅地は同17・7%で、ともに県内市町村でトップとなった。市内の商業地最高価格は、「平良字西里根間246番地(築登之屋)」の1平方㍍当たり16万2000円で、上昇率は同11・7%だった。
コロナ禍からの回復と観光需要の活性化を背景に商業地、住宅地の上昇率とも昨年の同4・6%、同5・3%から拡大した。
県地価調査分科会の仲本徹代表幹事は、市内の商業地について「観光需要が強い。特にヒルトンやローズウッドなど外国資本が入ってきており、店舗需要にインパクトが強い。西里通りも非常に観光客が多い」と述べた。
市内の商業地では、パイナガマビーチ近くの「平良字下里大嶺356番61外」が前年比19・0%上昇の1平方㍍当たり9万4000円で、県内で最も高い上昇率を示した。地価に値ごろ感があったことも理由という。
市内での住宅地最高価格は、「平良字久貝ムイ原852番9」で、1平方㍍当たり4万2800円(前年比17・3%上昇)だった。同地点の地価は、18年の同2万9000円から、5年間で約5割の上昇となっている。
また、住宅地では市内の広範な地域で高い上昇率を示した。最も上昇率が高かったのは、「伊良部字国仲屋敷90番」の前年比28・0%。市中心部だけでなく、外縁部でも高い上昇率となる地点が多くなった。住宅地上昇率の県内2~5位は市内の地点が占めた。
仲本代表幹事は、市内の住宅地について「新型コロナの影響で取り引きが停滞していた時期もあったが、徐々に安心感が出てきており、特に島外者の流入が継続している。また、これまでちゅうちょしていた地元による住宅取得も見られていた」と分析した。
多良間村の住宅地2地点の価格は、昨年から横ばいだった。