優雅な舞で観客魅了/八月踊り
塩川「正日」大盛況/きょうは両地区で「別れ」
【多良間】国の重要無形民俗文化財に指定されている多良間島の「八月踊り」は2日目の23日、塩川のピトゥマタ御願所で「正日」が行われた。躍動的な踊りや優雅な舞を繰り広げ、20余の演目で大勢の観客を魅了した。最終日の24日は仲筋、塩川の両地区で「別れ」を行う。
塩川の正日は午前10時ごろに開幕。勇壮な獅子舞で会場を清めると、総引きで出演者全員が顔見せをした。「ヨーンシー」では男性7人が威勢良く踊り、豪快に笑って会場を沸かせた。「白髪の老人」では105歳に扮した演者が孫たちを連れて登場し、健康を報告した。その後も端踊り、二才踊りなどが次々と披露された。
長寿の大主一行が登場しあいさつの口上を述べた後、若衆踊りや女踊り、二才踊り、「ダイナミック琉球」などの曲に振り付けをつけて踊る狂言、寸劇などが披露された。
組踊り「忠臣公之組(忠臣身替)」は10幕にも及ぶ一大絵巻となっており、忠臣亀千代が忠義より敵を討つ物語を演じた。この日のために練習を重ねてきたとあって見応えある舞台で、集まった観客は食い入るように見詰めていた。
塩川字会の友利哲市字長は「4年ぶりの開催だが、こうして多くの人たちが訪れてくれてうれしい。村民もこの時を3年間待ち望んできたので、開催が決定したら喜んでもらえた。規模縮小の期間も伝統文化の継承を考えてできるだけ顔を見せ絆をつないできた。今年は3年分の気持ちを込めて取り組んでいる」と話した。
来場した伊良皆光夫村長は「村民だけでなく島内外の皆さんが待ち望んでいた八月踊りが通常開催できて安心している。前日の仲筋、きょうの塩川を見てもブランクがあるようには見えない。しっかりと練習を積み重ねてきたことが分かる。演者の皆さんには頑張ってほしい」と感想を語った。