与党、中立の賛成で可決/政治倫理順守決議
農道無許可工事受け提案/野党猛反発、11人が退席/市議会9月定例会
市議会(上地廣敏議長)9月定例会の最終本会議が27日、市議会議場で行われ、与党提出の「議会議員としての政治倫理順守の決意を表明する決議」が可決された。野党からは個人への非難が強いことや、市議全員に関わる問題ではないとして猛反発。表決前に野党11人が退席し、与党と中立の12人が全員賛成した。
政治倫理順守の決議は、池城健氏が提出した。粟国恒広氏が久松農道の無許可工事を指示したことで、市民からは市議会全体に不信感があることを説明。信頼回復のためには市議全員が襟を正す必要があるとして、決意表明することを求めた。
質疑で粟国氏は「修復を早くしてくれと当局には三度言ったが、何の措置もなかった。国の査定が入る前に欠損した部分の応急措置をすれば被害拡大はなかった」と主張した。
狩俣政作氏は「全議員を対象としたのはなぜか」と指摘。池城氏は「この問題を市議全員のことと受け止め、宮古島市議会で二度と起きないよう行動することが大事だと考えて提出した」と理由を述べた。
前里光健氏は「無許可工事の違法性と実害はあるか」と質問。池城氏は「違法性については当局が弁護士に相談中だ。議員として高い倫理観を持って行動しなければならない立場にあって、無許可で工事をすることが問題である」と答えた。
討論では山下誠氏が賛成の立場で「無許可工事は公人として、やってはいけない。政治倫理をみんなで守ろうという決意表明だ。議会議員24人が襟を正す決意を市民に示そう」と述べた。
平良敏夫氏は「この決議書は個人を非難するものか、全員で襟を正すものかよく分からない。粟国議員はこれまで十分説明しており、文章の内容に納得しかねる」と反対した。
採決では公明、保守未来宮古会、自民の3会派の11人が次々に議場を後にした。残った与党と中立の合わせて12人全員が賛成した。
議会終了後に座喜味一幸市長は「公共施設等に変更をするに当たってはルール、法律等に基づかないと行政の混乱を招きかねない。担当課で法的なことも含めてこれから議論して対応していく」と話した。