過去紙面、データで保存/Nansei
廃刊新聞含め20社分/閲覧環境の構築目指す
きょう15日から新聞週間が始まる。現在、宮古では宮古毎日新聞と宮古新報の2紙が日刊紙として島の社会、政治、文化、教育など日々の動向を紙面に掲載して発行している。一方で、過去には多くの新聞社がこの島で生まれ、消えていった。その紙面は現在、市立図書館などで保管されているが、40年以上前にマイクロフィルムに収録していた那覇市の「Nansei」(旧南西マイクロ)では、宮古の既存2紙と廃刊新聞を含め20社分の過去紙面をデータ化。住民が気軽に閲覧できる環境を含め、その活用方法を模索している。
現在、データ化された過去紙面の中で、もっとも古いのは戦前1936年(昭和11年)の「宮古時事新報」で、同社は68年まで発行している。
データ化されたもので古い紙面は同年9月19日付だが、その紙面上部には「第586号」とあることから、新聞はそれ以前から発行されていることが分かる。
最も新しいのは、「日刊宮古」で、82~92年までの11年間発行していた。
創刊年別では、30年代が1社、40年代が8社、50年代が本紙を含めて6社、60年代が4社、80年代が1社となっている。
残された紙面では、手書きと思われるものや、しっかりとレイアウトされた紙面などがあり個性豊か。広告を含めて発行されていた当時の島の雰囲気を感じることができる。
このマイクロフィルム化とデータ化に取り組んだのは、旧南西マイクロ社の創業者で宮古島市宮原出身の砂川哲男さん。今は相談役として、同社(Nansei)に関わっている。
現在の山田豊社長は「以前はマイクロフィルムでアナログの世界だったものが、今ではデジタルに変わって見せられるようになった。技術を活用して古いものを次の時代につなげるのが社のモットー。相談役がこうして貴重な紙面を残してくれたことに感謝している」と話した。
データ化した紙面の活用方法については「(紙面)の権利者や著作権の問題などもあるが、過去の紙面が気軽に人々の目に触れられるような環境をどうすれば構築できるのかも含めて模索している段階」と説明した。