中学生への酒類販売 「重大な問題」と危機感/市教委
事業者に注意文書送付へ/関係団体と合同緊急会見
今月21、22日に市内にある広場で開催された地域の祭り会場で、出店していた一部の店舗が未成年に酒類を販売していた問題で、市教育委員会(大城裕子教育長)、市青少年育成市民会議(上地栄作会長)、宮古地区PTA連合会(上地庸一会長)は27日、市役所で合同の緊急会見を開いた。それぞれが「重大な問題」と危機感を募らせ、「公衆」の面前で未成年に酒が販売され、それを中学生が「公然」と飲酒していた今回の問題の深刻さを訴えた。
大城教育長は「大変残念で、かつ深刻な問題。現在、関係機関・団体とも情報共有を図り、事実確認を進めている」と述べた。
市教委によると、会場では中学生に対して複数の出店者が酒類を販売。飲酒していたことを認めた生徒は複数の学校にわたり、人数も10人以上という。
さらに、飲酒を認めた生徒たちは、数人のグループ単位で酎ハイを手に会場を歩き回り、知人にも声を掛けていたなど、会場の様子も示された。
大城教育長は「この問題は事後、匿名の情報提供により把握された。情報提供者には感謝している一方で、その場で情報提供してくれる人がいれば早い段階で違法販売や未成年者飲酒を止めることができた。これまで大人たちが子の成長を見守ることを訴えてきたが、それが行動にまで浸透していなかったことに深い反省を覚える」と話した。
同育成市民会議の上地会長は「大人が子供に酒を販売したという言語道断な出来事であると同時に、周囲の大人たちも気が付いていながら無関心であったという前代未聞な出来事」と、子の健全育成には周囲の大人が、時には厳しく見守ることの必要性を訴えた。
同PTA連合会は「未成年に酒を販売した側は、法律を犯した事件としてしっかり認識を持ってほしい。私たちとしても理事会などで問題提起し、あらゆる観点から再発防止に向けて取り組むことの重要性を訴えていきたい」とする上地会長のコメントが代読された。
中学生に酒類を販売した事業者の特定について、市教委は「主催者の聞き取りが中心になるが、今は情報提供が得られていない状況。仮に特定されれば直接注意を発したいが捜査機関ではないので、どこまで情報収集できるか分からない」と述べた。
特定できなくても今後は、宮古で酒類販売を行っているすべての事業者に注意喚起文書を配布するほか、関係団体を集めて問題の共有と対策について協議していく方針。
市教委では中学生に当時、酒類がどのように販売されたかなどについて、当該生徒たちから聞き取りを行い、生徒たちのプライバシーに配慮しながら、内容を公表することも検討している。