路上寝発生は658件/前年超えるペースで推移
防止へ「節度ある飲酒」訴え/宮古島署管内
宮古島警察署(喜屋武一郎署長)管内での路上寝発生取扱件数は2日現在で658件(暫定値)となっており、昨年1年間の発生件数686件を大幅に上回るペースで推移している。1日2件以上の割合で発生している。路上寝は事件や事故の被害に遭う可能性が高い危険な行為で、道路交通法違反の「道路における禁止行為」にも該当する。同署では「節度ある飲酒」を強く訴えている。
今年6月末時点で、同署で把握した発生件数は337件で、前年同時期に比べて120件増となっている。これに危機感を持った同署では今年8月にも新聞投稿で市民に路上寝防止を訴えた。
路上寝のほとんどは多量飲酒によるもので、本人が無防備な状態で危険性を全く予知していないことや、深夜の時間帯から朝方にかけて多く発生するため交通事故や仮睡者狙いの窃盗に遭う危険性がある。
昨年9月には、宮古島市内で路上寝を起因とする交通死亡事故が発生。今年4月には同市内で路上寝をしていた男性の財布から現金が盗まれる窃盗事件があり、40代の男が逮捕されている。
県は多量飲酒に関連する事件、事故などが後を絶たないことから、19年に「ちゅらうちなー安全なまちづくり条例(ちゅらさん条例)」を一部改正し、「アルコール関連犯罪防止」を新たに追加。「アルコール関連犯罪の防止に関する指針」には路上寝に伴う事故などは深刻な課題として、積極的な検挙活動などを行うとしている。
これから年末年始に向け、各地域の行事や各種イベント等の開催により飲酒の機会が増えると予想されている。同署では「『節度ある飲酒』に努めてもらい、飲酒が絡む悲惨な事件、事故の絶無に協力してほしい」と呼び掛けている。
一方、路上寝を発見した際には▽無用なトラブルを避けるためにも自分たちで起こすようなことはせずに通報▽通報後には(寝ている人が)事件や事故に巻き込まれないよう警察官が来るまで見守る-などの協力も求めた。