独自の配車アプリ運用開始/宮古タクシー事業協同組合
利用客の利便性向上へ/収益一部で高齢者支援も
島内の複数のタクシー事業者が連携し、利用客から一番近い空車の配車手配などができる島内独自のアプリ「宮古島TAXIアプリ」の運用が1日から始まった。同アプリを運営する宮古タクシー事業協同組合の(下地隆之代表理事)と同システムを提供した電脳交通(近藤洋祐代表)の関係者らが6日、宮古島観光協会で会見し、アプリ事業の概要を説明するとともに、多くの市民に利用を呼び掛けた。
利用者はこれまで、各社の空車状況が把握できかったため、タクシー事業者は「早く来てほしい」という顧客の希望にいかに応えられるかが課題となっている。今回はその課題を解決するため、競合する各事業者が空車情報を共有し合うことで、利用客の利便性を向上させることができる全国でも画期的なシステムだという。
アプリは利用客の現在地を入力すると、アプリのプロジェクトに参加している11社のタクシーの中から手動で選択。到着までの時間などがリアルタイムで表示される。また、客と乗務員とでチャットできる機能もあり、マッチングミスを防ぐことも可能となっている。
さらに地域貢献として、このアプリでの収益の一部で地域の高齢者のためにタクシークーポン券を配布する予定だという。アプリはグーグルプレイやアップルストアなどでダウンロードできる。
下地代表理事は「タクシークーポン券を配布するのはほとんどが国の支援や補助事業で賄っているが、私たちは収益から高齢者を支援する。アプリを運用していれば継続して地域貢献を続けることができる」と話した。
近藤代表は「国内のタクシー業界で地方は乗務員不足が指摘されており厳しい状況。しかし、不足しているのは24時間足りないわけではなく、朝、夕、深夜に需要が爆発的に増える。タクシーを利用したくてもその時間帯はタクシーがつかまらない。そういった課題を解決するために競合する各事業者が連携することでいち早く利用客へ配車できることになると期待している」と説明した。