農業委選考 市長ら候補者変更求める/市議会調査特別委
農業委が詳細メモ開示/野党委員「公平性ない」と批判
農業委員候補者の選考をめぐる市議会の調査特別委員会(富浜靖雄委員長)の第6回委員会が16日、市議会全員協議会室で開かれた。農業委員会が候補者を確定する前に座喜味一幸市長や嘉数登副市長を交えた市当局とのやりとりを記した詳細なメモを開示した。市長らが候補者の変更を求める内容となっており、野党委員らは「恣意的であり、透明性・公平性はない」などと厳しく批判した。
農業委は8月14日に座喜味市長と、翌15日には嘉数副市長と調整した際のメモ内容を、個人情報および個人が特定できるような内容は黒塗りにして、調査委員会とマスコミに示した。
メモには市長が個人名をを出して、候補者を変更することを求めたとしている。野党委員らは「市長から候補者の具体名は出てないか」と問い詰めたが、会議の出席者らは「具体名は出ていない」と否定した。
15日の面談では、市長が改ざんを示唆するような発言が記録されており、担当職員は「愕然とした。公文書を偽造することになる。記録を出すつもりはなかったが、身を守るために必要だと感じた」と述べた。パワハラを受けたとして弁護士に相談しているという。
新里匠氏は「改ざんの示唆は事実か」と質問。同席していた評価委員長(農林水産部長)は「発言があったか記憶にない」と答えた。また、農業委側が当時メモしていたかについても「定かではない」とした。
質疑の前に、県農業会議が第4回調査特別委員会で示した「委任規則は適正な手続きを経て策定されたものであり、その内容を変更することは選考基準の統一性・公平性の上で望ましくない」との見解について、県農業会議だけの判断でなく、全国農業会議所と農林水産省に確認を行った上で回答したことが公表された。
市当局側は顧問弁護士からの回答文書を提示。嘉数副市長は「事務の一部を委任しているだけで市長の固有の権利である任命権を委任するものではない。結果は尊重しつつも最終的には市長が決める」と主張した。