裁量の範囲内と正当性主張/農業委員候補者選考
座喜味市長が経緯説明/市議会調査特別委
連携不足は「大きな反省」
農業委員候補者の選考をめぐる市議会の調査特別委員会(富浜靖雄委員長)の第7回委員会が21日、市議会委員会室で開かれた。座喜味一幸市長が出席し、候補者を確定する前に農業委員会や市当局の事務方と調整した経緯について説明した。座喜味市長は評価順位の変更を求めたことについて「適正に行われており、裁量の範囲内で判断されたもの」と正当性を主張した。一連の混乱については「農業委員会との連携不足があった」と述べた。
農業委員候補者選考は農業委員会に事務が委任されており、応募者を項目別に評価し、点数制で順位を決める。評価結果を市長に報告し、市長は議会議決を経て、任命する。
評価委員会は6人の委員がそれぞれ持ち点105点で評価し、満点は630点になる。野党委員らは得点下位の応募者が引き上げられたり、告示内容と異なり中立委員数を増やしたりするなどして候補者を差し替えて決定したことに「恣意(しい)的であり、透明性・公平性はない」などと厳しく批判している。
嘉数登副市長は「法律解釈では、事務の一部を委任しているだけで市長の固有の権利である任命権を委任するものではない」と主張、評価委員会からの報告を変更することは可能とし、再調整を行ったことを説明した。
座喜味市長は「評価委員会の結果を評価しながらも、より良い人材を登用した」と説明し、混乱収拾の策を問われると「どういう形で提示できるのか、検討する必要がある」と述べつつ、仕切り直しを否定しなかった。
またこの日は、評価委員会で評価直前に特定の応募者について、評価に影響を与える可能性がある文言を農業委員会事務局が評価委員に伝えていたことが明らかになった。調査委員会は次回、事実関係を確認する。