油流出防止へ連携確認/海上防災対策協
災害備え認識共有/定例会に25機関・団体
宮古地区海上防災対策協議会(会長・福本拓也宮古島海上保安部長)の定例会議が21日、平良港マリンターミナル大研修室で開かれた。2020年度から3年間は書面開催となっており通常開催は4年ぶり。国や県、市、市内の関係25機関・団体から約45人が参加し、業務計画や油防除について認識を深めた。
冒頭、福本部長は「これまで大規模事案は発生していないが、過去3年間は年に数回、港湾での油流出事案などが発生している。大型クルーズ船の寄港隻数の飛躍的増加、南海トラフ地震などの発生の懸念が年々増している」と説明した。
その上で、「災害は必ずやってくる。災害に備えようとの実感を維持する必要がある」と呼び掛けた。
定例会議では、業務計画として▽20~23年度油流出事案の概要▽24年度の活動予定-などを確認した。
油流出事案は、20年度に8件、21年度5件、22年度7件、23年度は10月までに4件が確認された。宮古島海保の山添岳大警備救難課長は「幸いにも大規模な油流出事案は発生していないが、年に5件程度発生している」と述べ、引き続き関係機関の連携を求めた。
24年度の活動予定では、4月中に情報伝達訓練を兼ねた資機材保有状況の確認を行うほか、海上防災訓練として油防除に関する講習会または資機材取扱訓練を計画している。定例会議は、今年度と同様に来年11月ごろに開催予定。
会議後は、海と渚環境美化・油濁対策機構の島瀬勇二氏が「油防除の基礎知識(戦略・戦術編)」と題して講話した。
同協議会は発足から26年目。宮古地区周辺海域における大量の油または有害液体物質の流出事故、台風、津波による災害等が発生した場合に、関係防災機関、海事関係団体等の協力および連携の下に「災害の拡大を防止すること」を目的に1997年に発足した。