新議長人選に動き/市議会
野党の3氏軸に展開か
現議長の上地廣敏氏(70)が年内に議長在職2年の区切りを迎えることを受け、新議長候補をめぐる動きが水面下で展開されている。主導権は多数を占める野党にあることから、最大会派の保守宮古未来会からは下地信広氏(65)、上地議長も所属する自民からは平良敏夫氏(71)の名前が挙がっている。一方、勢力内から選出することが難しい与党は、野党の動向を見極めながらの動きとなっているが、一部は現職の上地議長の継続を求める声もある。
与野党、絡み合う思惑
市議会の正副議長の任期は基本的には4年だが、圧倒的な多数与党を維持してきた前政権時に2年にするという申し合わせがあり、現在もそれが継続している。
これまでの慣例からすると現職の上地議長が今後、辞職願を提出する見込みで、現在の動きはそれを見据えたもの。
辞職願が提出されればすぐに市議による無記名投票が行われ、新議長が決定する。
現在の市議会構成では、与党が7人(無会派含む)に対して野党は12人(保守宮古未来会6人、自民4人、公明2人)。中立会派の市民創会が2人で、無会派が3人となっている。
構図的に主導権を握る野党だが、2年前の議長人選の際にも、座喜味一幸市長に対する不信任案をめぐる姿勢で足並みがそろわず亀裂が生じたことも影響し、人選調整は不調に終わった。
この足並みの乱れは現在も続いており、野党勢力が下地氏、平良氏のどちらかで一本化できるかはまだ不透明な状況だ。
一方の数で劣る与党は、こうした野党の動きを注視しながらの展開だが「与党内から出したほうがいい」との声と現在の上地議長の継続を求める声が混在している。
現状では、この3氏を軸に調整が進む見込みとなっているが、2年前と同様に多数を維持しながらも足並みのそろわない野党と主導権を握れない少数与党の構図は変わっていない。
各勢力とも今後に控える県議会議員選挙、市長選を見据えていろいろな思惑も絡んでいることから、辞職願が提出された後の調整がカギを握っている。