キビ黒穂病 調査の畑9割で発生/多良間村
注意報受け対応ただす
一般質問5氏登壇/12月定例会が開会
【多良間】多良間村議会(福嶺常夫議長)の12月定例会が11日開会し、初日は一般質問が行われた。5氏が登壇してサトウキビの黒穂病発生などについて当局に対応を求めた。黒穂病は調査した畑の9割で発病が確認され、県病害虫防除技術センターが病害虫発生予察注意報を発表していることが分かった。きょう12日には全村民に対し1人2万円の「生活支援クーポン券」を配布する事業を盛り込んだ村一般会計補正予算案が上程される。
同センターの関係者が10月上旬に来島し、島内35箇所の畑で調査した結果、発病率は93・8%。発病した株は10・2%だが、一部の畑では35・5%だった。
品種は27号が多いとみられたが、調査の結果、22号や31号、33号からも発生が確認されたという。
黒穂病は、キビの先端から黒いカビの胞子が付いた穂が出てくるのが特徴。胞子は風雨で飛び散って周囲に伝染するとされる。罹(り)病株から採苗すると植え付け後に発病する。
垣花幸徳氏は「株出しからの黒穂病のまん延が懸念される中で、当局は農家に対してどのような指導・対策を行うか」と質問した。
亀川一成経済産業課長は「株出しは今回はやめることと、農林27号に偏っていたことを分散化していくことも大事だ。多様性を高めるためにも抵抗性の強い農林28号など、品種の特性を生かした植え付けを行うことの周知を徹底したい」と述べた。
一般会計補正予算は歳入歳出に4900万円を追加し、総額を33億860万円となった。物価高騰などの対策として全村民1080人に生活支援クーポン券を配布。加えて非課税世帯には1世帯につき7万円が支給される。
議案が可決されれば、20日から配布を開始し、同日から利用可能という。有効期限は来年3月25日まで。
一般質問には垣花、豊見山正、豊見城玄弘、安里三喜男、豊見山常和の5氏が登壇した。
伊良皆光夫村長は体調不良のため、午後の一般質問を欠席した。