川満(宮古出身)が日本王者に/ボクシング・ライトフライ級タイトルマッチ
大内に2回TKO勝ち/「強いチャンプになる」
プロボクシングの日本ライトフライ級タイトルマッチが17日、兵庫県神戸ポートピアホテルで開催され、同級1位の川満俊輝(三迫)=宮古島市出身=が大内淳雅(姫路木下)に2回TKOで勝利し、新王者となった。チャンピオンベルトを巻いた川満は「ベルトを手に入れたのは一人の力ではなく、三迫ジムの皆さん、応援してくれる皆さんのおかげ。これから強いチャンピオンになってもっと輝きたい」と涙ながらに語った。関係者によると宮古出身者の日本王者は初めて。
川満は一回、緊張からか堅さが見られ、手数が少なかったが、二回はゴングとともに果敢に前に出た。
右ボディを叩き込んだ後、相手の左に右クロスを合わせ、顎を打ち抜いた。立ち上がった大内に対してすぐさまラッシュ。左右の連打でロープにくぎ付けにして棒立ちとなったところで、レフェリーが試合を止めた。
試合直後のインタビューで川満は「前回(アジア王者戦)敗れた時は、ボクシングをやめたい気持ちになった。みんなが支えてくれたのでタイトルマッチに戻ってこれた。皆さんに感謝している」と涙声で語った。
ライトフライ級のベルトは、宮古島から上京した際に面倒を見てくれたジムの先輩が、過去に持っていたベルトだとして「先輩の思いが詰まった絶対離したくないベルトだ」と語った。
高校時代に川満を指導した知念健次さんは、タイトルマッチを観戦。「試合前に檄(げき)を飛ばしに行ったが、必要がないくらいの落ち着きと気迫で、勝てると確信した。俊輝もチャンピオンになれる男だと信じていた」と感想を述べた。
試合を決めた右クロスは、高校時代に知念さんが徹底的に鍛え上げたという。大一番で恩師直伝の一撃が未来を切り開いた。
川満は、世界王者になった比嘉大吾、同じジムに所属する狩俣綾汰と同級生。高校時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた。宮原出身で宮古工業高校卒。この試合を含めてプロ戦績は10戦9勝1敗となった。