旧水道庁舎来月に解体/市水道部
命の水つなぐ歴史的建物/跡地は水源予定地で保全へ
平良西里にある市の旧水道庁舎が2月中に解体される。1972(昭和47)年6月30日の現行の建物完成から51年、歴史ある建物が無くなるとあって関係者からは「忍びない」など惜別の声が上がっている。解体費は2389万7900円で工期は2月24日まで。解体後は一部をさら地にして水源候補予定地とする。
兼島方昭水道部長は「先輩方がいろいろと苦労してきた歴史の長い建物が無くなるのは忍びない思い」と語った。
その上で、「(この土地は)水源として十分使用できる水量は確認しており使用の可能性はある。まだ計画に入っていないが、将来の水事情に対応するための水源候補予定地として残しておきたい」と説明した。
市水道部によると、旧水道庁舎は65年7月の宮古上水道組合設立で一部建物が整備され、本土復帰に伴う宮古島上水道企業団への改組で72年6月30日に現在の規模の施設が完成した。
2005年10月1日の宮古島市誕生により宮古島水道局、10年4月1日の行政改革で水道局と下水道課が統合され上下水道部となるなど、時代の変化の中で変わらず宮古島の上水道事業の拠点として活用されてきた。
21年1月の現庁舎開庁に伴い旧水道庁舎から移動する際には、職員らが記念撮影して施設との別れを惜しんだという。
旧水道庁舎は鉄筋コンクリート2階建てで、延床面積は約700平方㍍。同庁舎のある敷地は計2400平方㍍。後方にある倉庫(旧議会棟)などはそのまま残される。
今後、水需要の増加に伴い水源候補予定地から水源地となることが決まれば、井戸の採掘や建屋の整備などを実施後、水源として取水したものを袖山浄水場に送り、浄水として利用する流れになるという。