ごちそう供え先祖供養/旧十六日祭
親戚集い墓前で手合わす
旧暦の1月16日に当たる25日、先祖を供養する伝統行事「旧十六日祭(ジュウルクニツ)」が市内各地の墓地で行われた。ごちそうや泡盛などを墓前に供え、手を合わせて家族の近況を報告するとともに、向こう一年間の健康などを祈願した。昨年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行したこともあり、今年は沖縄本島など、島外から親族らが集まる姿があった。
「旧十六日祭」は亡くなった先祖が暮らす後生(グソー)の正月とされる旧暦1月16日に、宮古や八重山地方を中心に行われている。一族の墓に親族が集まり、後生の金とされる紙銭(カビジン)を燃やし、線香をたき、重箱料理などを供えて先祖を供養する。
市平良荷川取の墓地では、清掃し清められた墓前に料理の入った重箱や果物などを供え、手を合わせて日ごろの見守りに感謝を込めていた。
親族13人で訪れた恩河恒雄さん(62)は「今年は東京や沖縄本島からも子や孫が来てくれた。先祖もみんなの元気な姿を見て喜んでいると思う」と話した。
袖山墓地公園では、妻の先祖の供養に来たという根間公男さん(67)は「コロナで行動制限があるころは、時間をずらして墓参りしていたが、みんなで集まれるようになって良かった」と笑顔を見せた。
この日は風が強く曇りで、今にも雨が降りそうな天気だったため、早めに切り上げて家で旧十六日祭を祝う人たちもいた。