2頭の獅子で厄払い/比嘉で「旧二十日正月」
城辺比嘉の伝統行事「旧二十日正月祭(パツカショウガツ)」が29日、同公民館前などで行われた。2頭の獅子を囲みながらクイチャーを踊り、無病息災と五穀豊穣(ほうじょう)を祈願。新しく購入された農機具の厄を払った。会場には多くの地域住民が参加し盛大に祝った。
同祭りは、比嘉集落の安全と繁栄を祈願する一大行事で毎年旧暦1月20日に開かれている。明治時代、字有地の財産を巡って士族と平民が争った事件の解決を1912年に祝ったことが始まりとされる。今年で111年目。
自治会の下地明会長が「毎年恒例となっている地域の伝統行事。天気にも恵まれて良かった。素晴らしい厄払いもできる。先人たちがこれまで築き上げてきた伝統芸能。私たちは精一杯守り抜いて次世代につなげたい」と語った。
祭りは午後3時ごろに始まり、獅子と民俗芸能保存会のメンバーを先頭に公民館の周囲を歩いて清めた。後に続く住民は頭にマーニ(和名・クロツグ)を巻き、三線や笛の音に手拍子を合わせて地域の安全を祈った。
公民館を清めると、集落を一周し無病息災と五穀豊穣を祈願した。その後、公民館前の広場に移動し、獅子を囲みながらクイチャーを踊った。集落内を回った後、住民が最近購入したトラクターを清めた。
新しくトラクターを購入した宮城安博さんは「昨年の夏に購入した。厄払いをしてもらい安全無事故で農作業ができるように願っている。また、サトウキビの収量も上がってほしい」と話した。