一席の伊佐山さんら表彰/第7回宮古島文学賞授賞式
受賞者たたえ、発展期待
第7回宮古島文学賞(主催・市文化協会)の授賞式が2日、市内のホテルで開催され、一席の伊佐山昂(のぼる)さん(66)=長崎県=らに表彰状が贈られた。会場には関係者らが集まり、受賞者をたたえるとともに同文学賞の発展に期待を込めた。伊佐山さんは「一席に選んでいただき、ありがとうございます。私にとって水平線の先にある神の国は宮古島だった」と話した。
受賞作の「水平線」は、伊良部島で暮らし始めた女性と港でスナックを営む親子、漁師の若者との交流や別れ、祖父母と祖父の兄との戦争にまつわる運命を描いた物語。
伊佐山さんは、佐良浜を舞台にしたが宮古島に訪れるのは初めてという。「今朝、佐良浜港に行った。現地に行くと空気感が違っていて、また書いてみたくなった。帰ったら頑張りたい」と話した。
「島」をテーマとした短編小説が対象となる宮古島文学賞。今回は28都道府県から76作品の応募があった。1次、2次選考を経て8作品に絞り込み、最終選考会で受賞作が決まった。
二席には佐藤陽翔(はると)さん(25)=富山県=、佳作には半崎輝(ひかる)さん(63)=徳島県=が選ばれている。
主催者を代表して饒平名和枝会長は「テーマである『島』と登場人物の生き方をうまく交差させた作品、希望ある作品が選出された。島を紡ぐ特徴ある文学賞が島の未来を語り、人々に愛されるよう全国に向けて発信したい」と語った。
座喜味一幸市長は「作者の文章力がさえわたる作品ばかりで感服した。回を重ねるごとに文学賞が成長していることを実感している」と祝辞を述べた。
選考委員長の椎名誠さん、選考委員のもりおみずきさん、大城貞俊さんによる選考評も行われた。