8年間違法状態を指摘/市議会3月定例会
農業委「原状回復求める」/農地転用で緊急質問
市議の山下誠氏ら5人は連名で4日、開会中の市議会(平良敏夫議長)3月定例会に「平良松原における農地の違法転用についての緊急質問動議」を提出した。動議は賛成多数で可決され、同日質問が行われた。5氏は違法転用状態が約8年間続いている現状を指摘し、農業員会の対応が適切かとただした。市農業員会の芳山辰巳会長は違法転用状態が続いている状況を説明し「原状回復をしっかり行っていく」と答弁した。
質問したのは、市議会与党の山下氏、久貝美奈子氏、下地茜氏、池城健氏、長崎富夫氏。
同問題は広栄開発が平良松原の農地を違法転用し重機ヤードとして整備、使用し続けており、農業委員会では2016年6月に農業委員からの情報をもとに現地調査を実施し農地の違法転用状態であることを確認した。同年9月に市議の粟国恒広氏や地権者(粟国氏の兄)らに指導通知を出すなど、原状回復を求めてきたという。
当初、違法転用状態だった農地は約2000平方㍍だったが現在は約6000平方㍍まで広がっているという。
このような状況は農業振興地域の整備に関する法律に違反している状態で、農業委員会ではこれまで何度も口頭での注意などを行ってきたという。この問題が発覚してから農業委員会には市民から「なぜ一方は許されて、自分たちは許されないのか」との苦情が寄せられていることも明らかにした。
山下氏は違法転用の発覚から約8年が経過している中で、「なぜこの問題が解決できないのか」と指摘するとともに、今後の対応について質問した。
石川博幸農林水産部長は「指導の手順としては勧告、弁明の機会の付与、命令、行政指導、命令違反に対する刑事告発などとなっている。県に確認しながら農振法に基づいて土地利用について土地復旧の勧告を行っていきたい。農業委員会と連携しながら今後しっかりと対応していきたい」と述べ、芳山会長は「松原地区については原状回復に向けてしっかりやっていく」と話した。
嘉数登副市長は「市民も重大なことと認めており、現状がこのまま続けばしっかりと手続きを行っていく」と語った。