「かぎやで風」披露/「さんしんの日」で演奏会
各団体が三線奏でる
「さんしんの日」の4日、多くの三線愛好者らが県内各地で一斉に「かぎやで風」を演奏した。三線の魅力を再確認し、伝統芸能の継承と発展を誓った。宮古島市でも民謡団体が演奏会を催し、宮古民謡を代表する「豊年の歌」などを披露した。
宮古民謡保存協
宮古民謡保存協会(砂川次郎会長)は午後6時半から、久松公民館で「ゆかる日 まさる日 さんしんの日大演奏会」を行った。会員と一般の愛好者約110人が参加し「かぎやで風」など計13曲を演奏し三線の音色と歌声を響かせた。
はじめに砂川会長が「多くの人が参加してくれて感謝する。東京や大阪からも来てくれた人もいる。きょうは皆さんが主役。堂々と演奏しましょう」と呼び掛けた。会員らの合図で「かぎやで風」を一斉に演奏。「豊年の歌」「なりやまあやぐ」などを次々と演奏した。
友人の演奏を聞きに来たという40代女性は「みんなで三線の音を合わせて気持ち良さそうに演奏している。以前から三線に興味があったので挑戦してみたいと思った」と話した。
宮古民謡協
宮古民謡協会(渡久山吉彦会長)は荷川取公民館で演奏会を開いた。同協会の会員ら約70人が参加して「豊年の歌」など11曲を演奏。三線と太鼓、笛の音、歌声が一体となり、会場を包んだ。
演奏会では午後6時の時報に合わせて「かぎやで風」の演奏を開始。宮古民謡の代表曲である「なりやまあやぐ」や「とうがにあやぐ」なども次々に披露した。
玉城流敏風会池間美代子琉舞研究所も参加し、一斉演奏の「かぎやで風」に合わせて、優雅な舞で花を添えた。
渡久山会長は「『さんしんの日』に集まっていただき、ありがとう。みんなで楽しい演奏会にしましょう」と呼び掛けた。
各研究所による斉唱や独唱も行われた。参加者らは伝統芸能の奥深さを再認識するとともに、民謡の継承と発展を誓い合った。
野村流保存会・伝統音楽協支部
琉球古典音楽野村流保存会宮古島支部(仲宗根玄雅支部長)と琉球古典音楽野村流伝統音楽協会宮古支部(波平重夫支部長)は4日、宮古南修館で演奏会を開いた。会員ら約20人が集まり、ラジオ放送に合わせて演奏し、三線の魅力を発信した。両支部の演奏会には琉球箏曲興陽会宮古支部(下里恵支部長)の会員も参加し、美しい音色で彩りを加えた。
ラジオの時報に合わせて「かぎやで風」を演奏した後、宮古民謡の「豊年の歌」や「なりやまあやぐ」なども披露した。
仲宗根支部長は「コロナで開催できなかったので、みんなで歌うことができることをうれしく思う。多くの市民にPRして三線を始める人が増えてもらえれば」、波平支部長は「保存会と一緒に開催できて良かった。『さんしんの日』に、多くの仲間たちと演奏できることに喜びを感じている。三線の魅力を知ってもらいたい」とそれぞれ語った。