来間小中校舎活用 無償譲渡に質疑集中/市議会3月定例会
「補助金頼り」と指摘/教育長「事業計画書提出する」
開会中の市議会(平良敏夫議長)3月定例会は5日、提出議案の質疑を行った。旧来間小学校および中学校の両校舎を無償譲渡する議案に野党議員らから質問が集中。4月に申請する補助金の交付が前提となっているため、「補助金頼りだ」「補助金交付は確定しているのか」などと疑問視する声が相次いだ。大城裕子教育長は「十分に練った計画書を議会に提出すべきだった。自治会、事業者、教育委員会と話し合いを行い、皆さんが納得いくような事業計画書を提出したい」と答弁した。
無償譲渡を受けるのは浦添市の「ゆいまるプロジェクト」で、跡地利用として長期滞在型リモートワーク施設の事業を計画。改修工事などを行い、2025年の開設を目指している。
同社は、来間小中の利活用を目的に新規に立ち上げられた事業所。代表者は来間島でマイクログリット構築事業、市島しょ型スマートコミュニティー実証事業などに携わっている。
校舎は無償譲渡されるが、土地に関しては年額321万円で賃貸契約を結ぶ考え。グラウンドは市場や電動ゴーカート場、宮古馬の散歩場などで利用する予定。
同議案については前里光健、下地信男、友利光徳、上地廣敏、狩俣政作、粟国恒広、山里雅彦の7氏が質問した。
事業計画書では脱炭素交付金、テレワーク交付金の二つの補助金の確保を前提としており、「補助金が獲得できなければ事業見直しとなる」と明記されている。
当局は補助金について、事業所が交付の内示を受けていると説明したが、その後、「4月に内示が出た後に申請する」に訂正した。
無償譲渡について大城教育長は「来間自治会が事業所と共に地域活性化に取り組みたいと要請したことが財産譲渡に至った大きな理由。地域の思いを最大限生かした活用の方法になると考えている」と述べた。
前里氏は「譲渡するメリットは何か」とただした。大城教育長は「地域の皆さんに愛された施設。利活用することは地域にとっても市にとってもメリットになる。地域の雇用創出、活性化などに期待できる事業だ」と説明した。