「不安払しょくしたい」/市民の影響懸念に見解
クルーズ船寄港増で市
平良港に入港するクルーズ船が今年に入って急増し、国内外からの乗客が一気に増え市街地が観光客でにぎわいをみせている。長期化したコロナ禍を経て、島の社会構造も大きく変化した中で増えるクルーズ船客に一部の市民からは、タクシーの利用に影響があるなどの二次交通の問題や食料品・薬品不足を懸念する声が上がっている。
「病院に行くためにタクシーを利用したかったが呼べず通院を諦めた」「風邪薬が買い占められて売り切れとなって購入できなかった」「一気に多くのクルーズ船客が訪れて、公共施設のトイレがかなり汚されている」などの声が本紙にも寄せられている。いずれもクルーズ船の客が影響しているとみられる。
こうした状況を踏まえて、新型コロナ以前のオーバーツーリズム再来を懸念して「このままだとコロナ禍前と同じ状態になる」と不安視する声もある。
市観光商工課は、「コロナ禍で潜在的に二次交通の運転手不足問題があり、今年は特に大きな船が入港していることも影響している」と説明。その上で「入港予定日は大型スーパーなどにメール配信サービスで事前に知らせており、人手や入荷を増やすなどそれなりの対応をしてもらっている」と述べた。
さらに「担当課として、市民の皆さんに不安を与えないよう対応したい。今年度のクルーズ船の状況を踏まえ、4月にも関係者によるクルーズミーティングを開くなど、定期的に対応を協議していきたい」との見解を示した。
そのほかにも、同課は外国人観光客のポイ捨てや公共施設の使用に関する問題点も上げ「クルーズ客への観光マナーの啓発も今後、より一層進めていきたい」と述べた。
市ホームページのクルーズ船入港予定(11日時点)によると、2024年は予約ベースで122回の入港が予定されている。船の総トン数は5602トン~17万1598トンとさまざまで、大型船だと乗客数は約4000人を超える。
入港は、3月は9回の予定だが、4、5月は16回、6月15回、7月11回、10月14回、11月12回、12月15回と、ほぼ2日に一回の入港が予定されている。夏場は台風を考慮してか8月3回、9月4回と予約は少ない。
同課によると、今年の入港予定は122回だが例年キャンセルも多く実際の入港回数は予測できないという。昨年は約150回の予定だったが、実際は二十数回だったという。
(前里中記者)