来月から「あわせ産廃処理」/市クリーンセンター
廃プラなど受け入れへ/業者許可取り消し受け
2月末に平良大浦にある宮古環境保全センターに対し、県が廃棄物処理法違反で収集運搬業の許可取り消しを行ったことで、行き場を失った島内の産業廃棄物の処理方法に不安が広がっている。開会中の市議会3月定例会の一般質問でも市に対応が求められた。市環境衛生局の下地睦子局長は答弁で「まずは廃プラスチックの一部について(市クリーンセンターで)『あわせ産廃処理』を行いながら順次、産業廃棄物の受け入れ体制を整えていきたい」との見解を示した。
19日に行われた一般質問では、市議から▽(現状で)島内では産業廃棄物を受け入れる所がない▽最終処分場もいっぱいで制限がかかっている▽このままだと不法投棄が増える-などが指摘された。
その上で「(産業廃棄物が)島内で処理したくても処理できない状況。船で沖縄本島に移送するにしてもコストが掛かるほか、それを運ぶ船がどこにあるのか。これは緊急事態であり、市もある程度は融通を利かせて対応しなければ大変なことになる」と訴えた。
これに対して下地局長は「すべての課題を一挙に片付けることは困難だが、できることからやっていきたい。まずは廃プラの一部、発泡スチロール、農業用のビニールなどを4月1日から受け入れたい」と述べた。
また、県が許可取り消しを決めた今回の行政処分を「市は事前に知っていたのか」との質問には、「(県の)許可取り消しが行われたのが2月26日。市は、祝日と土日を除いて知らされたのが2日前」と述べ、突然で対応できなかったことを強調。「まさに『寝耳に水』だった。宮古保健所には、急に取り消された場合は、さまざまな課題が生じる可能性があることを訴えて強く抗議した」と述べた。
県は2月、同センターに対して産業廃棄物処理違反があったとして、産業廃棄物収集運搬業の許可を取り消す行政処分を行ったと発表した。
県によるとこの業者は2021年8月1日から22年9月6日までの間、自社事務所において、県知事から事業範囲の変更許可を受けることなく、同事務所にある産業廃棄物処理施設で産業廃棄物を中間処理したとしている。
県の発表を受けて市も18日付で、同センターの一般廃棄物収集運搬業の許可を取り消したことを発表した。
※産業廃棄物を一般廃棄物と併せて処理することを市区町村が認めている場合、これを「あわせ産廃」や「あわせ産廃処理」という。