商業、住宅地とも上昇率1位/2024年地価公示
観光業の回復など影響/野原地点、6年で2倍超
【那覇支社】沖縄総合事務局は26日、2024年地価公示結果(1月1日時点)について発表した。宮古島市では、コロナ禍から観光業が回復したことなどを背景に、前年に比べた伸び率が商業地12・4%、住宅地は12・3%となり、いずれも県内トップだった。
宮古島市では、伊良部大橋が開通(2015年1月)後に観光客数が急激に増加。18、19年度は連続で100万人を超えた。新型コロナの影響で一時は40万人前後まで減少したが、昨年度は70万人台に回復。クルーズ客を除けば、すでにコロナ前を上回った。
市内の地価は、18年から市街地周辺で上昇が始まり、コロナ禍でも全地点で横ばいか上昇を続けた。
同年から、商業地最高額の「平良字西里羽立391番外」は価格が1・8倍、陸上自衛隊基地の周辺整備やサンエー宮古島シティ開業などで伸びが著しい、住宅地の「上野字野原東方原1104番」では2・4倍となった。
今年は全地点で上昇率が昨年を上回っており、地価公示分科会の仲本徹代表幹事は「平良地区の中心市街地の地価は大幅な上昇傾向だ。外縁部の既存集落地域でも、大型商業施設の開業などで利便性の向上がある」と指摘した。
また、「商業地の中心市街地では、賃料が急激に上昇しており、資金力がある県外の業者が取得に入ってきて高値の取り引きが出ている。また、宮古島全体で、県外・外国資本によるホテル開発が目白押しだ」とも述べた。
このほか、建設のための作業員が入居するための施設も不足してアパートを借りることができない状況が発生していることなど説明した。
県内商業地の最高価格は、23年連続して「那覇市久茂地3丁目1番1」で、1平方㍍当たり204万円(前年比3・6%上昇)。石垣市の商業地最高価格は、「石垣市大川中ノハカ207番3」で、同15万6000円(同3・3%上昇)。